finga的メタルパッド改造録

DDRのメタルパッドコントローラー改造レポートを中心、他ステップマニア等

DDRではスタッターギミックは採用すべきではないという話

はじめに

AC版Dance Dance Revolutionシリーズ(以下DDR)にて、楽曲Vanquish The Ghostでの譜面をきっかけに通称スタッターギミック(後述)と呼ばれるギミックが譜面内に度々登場することとなりました。個人的にこのギミックをDDRにおいて採用する事は違和感が多く、標題のような感想を持つに至りました。


これっておいらの感想ですよね。

クソみたいなミームの乱用はさておき、このギミックがゲーム内に登場する度にモヤモヤした思いが脳内を占めるようになっていたため、ここではその違和感を文章化しまとめておくこととしました。なお、DDR以外の音ゲーでの同ギミックに対しては背景もゲーム性も何もかも違うためここでは触れないこととし、DDRのみの場合の話とします。

そもそもスタッターギミックとはなんぞや

まず、DDR含む踏みゲー一般でよく使われるギミックには、譜面の流れを一定時間止める「停止」というギミックがあります。 その停止ギミックを含む譜面の例として、「とある場所でBPM半拍分の時間だけ停止し、再び動き出してからまた半拍後に矢印が飛んでくる」譜面があるとします。 この場合、リズムの上では停止し始めてから矢印を踏むまで、半拍停止+半拍動きで計一拍分の間隔が空いていることになりますが、 そのうち半拍分の時間は停止しているため、見た目上は停止した位置からの半拍分しか間隔が空いていないこととなります。 その為、停止していなければNoteタイプで言うところの赤い矢印になっていたものが、半分ずれて青矢印に変化するといった現象が発生します。

そこで、動き出してから次の矢印が飛んでくるこの半拍分のBPMを倍にするとどうなるでしょうか。 見た目では間隔が広くなり、停止していなかった場合と同じだけの間隔となり矢印も赤矢印のままとなります。 リズムを変えずにBPMが倍になった場合、一拍の見た目上の間隔も倍に広くなるからです。 この停止と加速をワンセットで配置するものが通称スタッターギミックと呼ばれるものです。 すぐ下に画像でも説明しているので分かりにくかったら見てみてね。

これを使用することのメリットとして、矢印の色や間隔をしっかり常に見ておき、その色や間隔どおりに踏むことさえ意識すれば、停止が入ったとしても初見で対応することができるメリットを得ることができます。
実際DDRで採用された実例として、冒頭で触れたDDRA収録のVanquish The Ghostに上記の例そのものの配置があります。

youtu.be 0:55~ →フリーズからの配置

以下、図

本題:なぜDDRで採用すべきではないのか

①譜面認識方法の変更を余儀なくされる

先ほど上記で

矢印の色や間隔をしっかり常に見ておき、その色や間隔どおりに踏むことさえ意識すれば、停止が入ったとしても初見で対応することができるメリットを得ることができます。

と言いましたが、逆に言えば常に矢印の色や間隔を気にしていないと、初見殺しを防ぐはずのスタッターギミックでも結局初見殺しされてしまいます。

このギミックは加速を伴うこともあり、何も意識しなければ視界に入りにくいところからいきなり高速で矢印が飛んでくる事になるため、視線には気を配る必要があります。このギミックの登場までは停止だけであればそれだけを意識するだけですんでいたものが、このギミックによる加速が加わることにより逆にミスを誘発する事態になり得ます。このギミックが来るたびに視線を下に向けることを意識するわけですが、個人的にはとてもやり辛く感じます。

②停止と加速をワンセットとするため停止の体感が損なわれる

スタッターギミックを入れる入れないの話の前に、何故停止を入れるのかということなのですが、

  • シーン…といった静かさの表現
  • ドン!パン!バシッ!といった音の力強さの表現

…を表現するために入れるということがほとんどかと思います。これに対し加速は停止と相反する表現であるため、スタッターギミックを使用するとその停止の表現から得られる体感を損ねてしまうというデメリットが生じてしまいます。冒頭で触れたVanquish The Ghostと、smooooch・∀・で同じリズムで連続停止する地帯を比べてみると同じ連続停止でも加速ありとなしで感覚が異なるのが分かるかと思います。

youtu.be 1:26~

③加速自体には楽曲と関連性がない

BPMが加速する譜面のパターンを挙げますと、

  • 実際にBPMが早くなっている ex:ΔMAX、Ace Out、冥など
  • 楽曲の疾走感を現すためにBPMを倍増する ex:Healing-D-VisionAvenger、Cosy Catastropheなど
  • 楽曲中になる特定の音の疾走感を現すためにBPMを倍増にする ex:The Legend of MAX、Tohoku EVOLVED、Pluto Relinquishなど

などがあげられますが、スタッターギミックはこのいずれにも該当しません。
…というか、疾走感を出すために加速する意図を持ってスタッターギミックを採用した場合は、状況によってはありだと考えますので、そうでないものをここでは指すとします。
スタッターギミックの加速は譜面停止に対して意味を持たせるもののため、楽曲自体と直接何ら関係がないのに加速しているという事になっています。
他の項目にあるデメリットを受けてまで、楽曲と関係のない要素を入れるべきではないのではないか、という疑問が残ります。

④覚える要素が増え面倒になる

このギミックが採用されたことにより、スタッターギミックつきの停止とそうでない停止がゲーム中に混在し、 結果的に攻略の際にどちらかであるのかあらかじめ覚えておく必要がでました。覚えゲー要素が増えてしまうことになります。

初見殺しを防ぐために入れられたギミックと仮定するのであれば、これでは意味がありません。

また、譜面停止を示すだけなら元より短いフリーズアローで停止位置を示すといった表現が既にありました。
youtu.be 例:Reach The Sky, Without you ESP 1:13~
元よりこのような手法がありながら、他のデメリットを受け入れてまでスタッターギミックを入れる必要があるのかどうか疑問が残ります。

そうは言っても…

このギミックがふんだんに取り込まれたANTI ANTHEMという楽曲があるのですが、困ったことに何故か、
この譜面人気なんですよね。

ご参考までに、好評な理由を丁寧にご解説されている動画がありましたのでご紹介させていただきたく思います。
勿論楽しさの感覚は人それぞれですし、それ自体を否定する訳では無いですよ。ここ重要ですからね。
youtu.be

こちらで高評価されている理由としては、要約すると 「短いフリーズアローはスタッターギミックを示し、そうでないフリーズアローは通常の停止を表現しているため、 そこが謎かけとなりプレイヤーに知恵比べを挑ませる譜面となっている」といった理由のようです。 これまで上記で述べてきた、「初見殺しを防ぐため、配慮として加速させている」といった理由での採用とはまた違ったものですね。
なるほどと思いました。
プレイヤーへの配慮でそれを行うのであれば、同譜面内で停止ではない加速でミスを誘う配置があることとは矛盾が発生しますから。

ただここで私が思うのですが、その謎かけは楽曲とは直接関係がないのではないかと思うんですよね。 つまり、難易度を上げるために楽曲とは直接関係のない加速をさせているということになりますので、 果たしてそれは必要なのか、DDRのこれまでの譜面を踏まえて、音ゲーとしてのコンセプトから外れているのではないか(上記の理由③)と思わされます。 そもそも、停止拍を示す為にフリーズアローの長さを変えることと、そこに加速を加える必要があるかはまた別の話かと思います。 CHUNITHMという音ゲーで採用されている、音ゲー本筋とはあえて路線を外し斬新な体験を提供するコンセプトのWORLD'S ENDという ゲームモードのようなものがあるのですが、そのようなゲームモードであれば特に違和感を持つことはなかったでしょう。

まとめ

配慮のつもりであれば実際には配慮になっていなく、ゲームが無駄に複雑・面倒になるのでやめてほしいという事です。

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正直プレイヤー間では割と好評なものを批判することとなり、勇気が必要としたのでぶっちゃけこの記事を公開するのは怖いのですが、 何も言わずにモゴモゴしてるよりかはよほど建設的かと思ったのでなんでも言ってください。
どうぞよろしくお願いいたします。