DDRではスタッターギミックは採用すべきではないという話
はじめに
AC版Dance Dance Revolutionシリーズ(以下DDR)にて、楽曲Vanquish The Ghostでの譜面をきっかけに通称スタッターギミック(後述)と呼ばれるギミックが譜面内に度々登場することとなりました。個人的にこのギミックをDDRにおいて採用する事は違和感が多く、標題のような感想を持つに至りました。
クソみたいなミームの乱用はさておき、このギミックがゲーム内に登場する度にモヤモヤした思いが脳内を占めるようになっていたため、ここではその違和感を文章化しまとめておくこととしました。なお、DDR以外の音ゲーでの同ギミックに対しては背景もゲーム性も何もかも違うためここでは触れないこととし、DDRのみの場合の話とします。
そもそもスタッターギミックとはなんぞや
まず、DDR含む踏みゲー一般でよく使われるギミックには、譜面の流れを一定時間止める「停止」というギミックがあります。 その停止ギミックを含む譜面の例として、「とある場所でBPM半拍分の時間だけ停止し、再び動き出してからまた半拍後に矢印が飛んでくる」譜面があるとします。 この場合、リズムの上では停止し始めてから矢印を踏むまで、半拍停止+半拍動きで計一拍分の間隔が空いていることになりますが、 そのうち半拍分の時間は停止しているため、見た目上は停止した位置からの半拍分しか間隔が空いていないこととなります。 その為、停止していなければNoteタイプで言うところの赤い矢印になっていたものが、半分ずれて青矢印に変化するといった現象が発生します。
そこで、動き出してから次の矢印が飛んでくるこの半拍分のBPMを倍にするとどうなるでしょうか。 見た目では間隔が広くなり、停止していなかった場合と同じだけの間隔となり矢印も赤矢印のままとなります。 リズムを変えずにBPMが倍になった場合、一拍の見た目上の間隔も倍に広くなるからです。 この停止と加速をワンセットで配置するものが通称スタッターギミックと呼ばれるものです。 すぐ下に画像でも説明しているので分かりにくかったら見てみてね。
これを使用することのメリットとして、矢印の色や間隔をしっかり常に見ておき、その色や間隔どおりに踏むことさえ意識すれば、停止が入ったとしても初見で対応することができるメリットを得ることができます。
実際DDRで採用された実例として、冒頭で触れたDDRA収録のVanquish The Ghostに上記の例そのものの配置があります。
youtu.be
0:55~ →フリーズからの配置
以下、図
本題:なぜDDRで採用すべきではないのか
①譜面認識方法の変更を余儀なくされる
先ほど上記で
矢印の色や間隔をしっかり常に見ておき、その色や間隔どおりに踏むことさえ意識すれば、停止が入ったとしても初見で対応することができるメリットを得ることができます。
と言いましたが、逆に言えば常に矢印の色や間隔を気にしていないと、初見殺しを防ぐはずのスタッターギミックでも結局初見殺しされてしまいます。
このギミックは加速を伴うこともあり、何も意識しなければ視界に入りにくいところからいきなり高速で矢印が飛んでくる事になるため、視線には気を配る必要があります。このギミックの登場までは停止だけであればそれだけを意識するだけですんでいたものが、このギミックによる加速が加わることにより逆にミスを誘発する事態になり得ます。このギミックが来るたびに視線を下に向けることを意識するわけですが、個人的にはとてもやり辛く感じます。
②停止と加速をワンセットとするため停止の体感が損なわれる
スタッターギミックを入れる入れないの話の前に、何故停止を入れるのかということなのですが、
- シーン…といった静かさの表現
- ドン!パン!バシッ!といった音の力強さの表現
…を表現するために入れるということがほとんどかと思います。これに対し加速は停止と相反する表現であるため、スタッターギミックを使用するとその停止の表現から得られる体感を損ねてしまうというデメリットが生じてしまいます。冒頭で触れたVanquish The Ghostと、smooooch・∀・で同じリズムで連続停止する地帯を比べてみると同じ連続停止でも加速ありとなしで感覚が異なるのが分かるかと思います。
youtu.be 1:26~
③加速自体には楽曲と関連性がない
BPMが加速する譜面のパターンを挙げますと、
- 実際にBPMが早くなっている ex:ΔMAX、Ace Out、冥など
- 楽曲の疾走感を現すためにBPMを倍増する ex:Healing-D-Vision、Avenger、Cosy Catastropheなど
- 楽曲中になる特定の音の疾走感を現すためにBPMを倍増にする ex:The Legend of MAX、Tohoku EVOLVED、Pluto Relinquishなど
などがあげられますが、スタッターギミックはこのいずれにも該当しません。
…というか、疾走感を出すために加速する意図を持ってスタッターギミックを採用した場合は、状況によってはありだと考えますので、そうでないものをここでは指すとします。
スタッターギミックの加速は譜面停止に対して意味を持たせるもののため、楽曲自体と直接何ら関係がないのに加速しているという事になっています。
他の項目にあるデメリットを受けてまで、楽曲と関係のない要素を入れるべきではないのではないか、という疑問が残ります。
④覚える要素が増え面倒になる
このギミックが採用されたことにより、スタッターギミックつきの停止とそうでない停止がゲーム中に混在し、
結果的に攻略の際にどちらかであるのかあらかじめ覚えておく必要がでました。覚えゲー要素が増えてしまうことになります。
初見殺しを防ぐために入れられたギミックと仮定するのであれば、これでは意味がありません。
また、譜面停止を示すだけなら元より短いフリーズアローで停止位置を示すといった表現が既にありました。
youtu.be
例:Reach The Sky, Without you ESP 1:13~
元よりこのような手法がありながら、他のデメリットを受け入れてまでスタッターギミックを入れる必要があるのかどうか疑問が残ります。
そうは言っても…
このギミックがふんだんに取り込まれたANTI ANTHEMという楽曲があるのですが、困ったことに何故か、
この譜面人気なんですよね。
ご参考までに、好評な理由を丁寧にご解説されている動画がありましたのでご紹介させていただきたく思います。
勿論楽しさの感覚は人それぞれですし、それ自体を否定する訳では無いですよ。ここ重要ですからね。
youtu.be
こちらで高評価されている理由としては、要約すると
「短いフリーズアローはスタッターギミックを示し、そうでないフリーズアローは通常の停止を表現しているため、
そこが謎かけとなりプレイヤーに知恵比べを挑ませる譜面となっている」といった理由のようです。
これまで上記で述べてきた、「初見殺しを防ぐため、配慮として加速させている」といった理由での採用とはまた違ったものですね。
なるほどと思いました。
プレイヤーへの配慮でそれを行うのであれば、同譜面内で停止ではない加速でミスを誘う配置があることとは矛盾が発生しますから。
ただここで私が思うのですが、その謎かけは楽曲とは直接関係がないのではないかと思うんですよね。 つまり、難易度を上げるために楽曲とは直接関係のない加速をさせているということになりますので、 果たしてそれは必要なのか、DDRのこれまでの譜面を踏まえて、音ゲーとしてのコンセプトから外れているのではないか(上記の理由③)と思わされます。 そもそも、停止拍を示す為にフリーズアローの長さを変えることと、そこに加速を加える必要があるかはまた別の話かと思います。 CHUNITHMという音ゲーで採用されている、音ゲー本筋とはあえて路線を外し斬新な体験を提供するコンセプトのWORLD'S ENDという ゲームモードのようなものがあるのですが、そのようなゲームモードであれば特に違和感を持つことはなかったでしょう。
まとめ
配慮のつもりであれば実際には配慮になっていなく、ゲームが無駄に複雑・面倒になるのでやめてほしいという事です。
感想、批判、誹謗中傷なんでもいいのでツイート・リプライ等反応もらえるとうれしいです。
ボロカス好き放題言ってもらって構わないです。
言い難かったら質問箱で匿名で罵倒することも可能です。
匿名で聞けちゃう!finga総合垢さんの質問箱です | Peing -質問箱-
正直プレイヤー間では割と好評なものを批判することとなり、勇気が必要としたのでぶっちゃけこの記事を公開するのは怖いのですが、
何も言わずにモゴモゴしてるよりかはよほど建設的かと思ったのでなんでも言ってください。
どうぞよろしくお願いいたします。
【Stepmania】Stepmania おすすめリンク集
Stepmaniaやりたい、大体はわかってるけど結局どうすればいいの?
何を用意すればいいの?といった方向けにおすすめをささっとまとめました。
以下、2021年5月時点での最新情報です。
気づいたら増えたり更新したりしてます。
リンク切れ等あればツイッターまでご連絡ください。
■ Stepmania 本体
バージョンの細かい違いに関してはこちらのサイト様が詳しいです。sm.waiei.net
- Stepmania 5.0.12
Release StepMania 5.0.12 · stepmania/stepmania · GitHub
- Stepmania 5.1 beta2
Release StepMania 5.1 beta 2 · stepmania/stepmania · GitHub
どちらもStepmania5系の安定バージョンです。通常はこちらのどちらかを使えば問題ないと思います。
- Stepmania 5.3 Outfox
Project OutFox rhythm game engine - Home
現在進行形で開発が進められているテーマ。パフォーマンスが一気に向上し、ロースペック向けPCでも比較的安定して動きやすく、高FPS出力が可能なディスプレイを活かすのにも向いている。優秀なデフォルトテーマがついている。構造が以前のバージョンとは大きく変わっているが、5.3以前のテーマ等にも互換性があるとの事。開発中の為仕様が変わることも。
■ テーマ
- DanceDanceRevolution XX -STARLiGHT-
[SM5] DanceDanceRevolution XX -STARLiGHT- - Simulation Discussion - Simulation Forums - ZIv
本家DDRと同じような感覚でプレイできる、デザイン性に優れたテーマ。AC版DDRに極めて近いスコア計算式が採用されている。本家DDRにはない地雷ノーツもしっかりと100万点のスコア計算内に収められている。
- WAIEI2
SNSへリザルトを投稿できる機能、楽曲ソートを管理できる機能など、革新的な機能が目白押し。こちらも現行AC版DDRに近いスコア計算式を採用している。
- SIMPLY LOVE
GitHub - Simply-Love/Simply-Love-SM5: a StepMania 5 theme for the post-ITG community
世界で最も使われている、もはやスタンダードとなっているに等しいテーマ。ITGプレイヤー向け。ハイスピードオプションを自動で設定できるMmodオプション、譜面の激しさをグラフで視覚化させる機能など、便利な機能が非常に多い。Stepmania5.3には完全対応していないとのこと。
- Project OutFox
Project OutFox rhythm game engine - Home
Stepmania5.3デフォルトテーマ。ITGプレイヤー向け。デフォルトであるが、SIMPLY LOVEにある機能はほぼ網羅しており非常に多機能。
■ ノートスキン
あちこちから回収するのもめんどくさいと思うので、DDR-NOTE、DDR-RAINBOW、ITG-METAL、ITG-CELLの基本セットを置いておきます。
DDR-NOTE、DDR-RAINBOWの2種はどうやらstepmania5に最初から含まれているdefault、midi-noteが同じフォルダに無いと動作しないようなので注意です。
Dropbox - sm5 noteskin set.zip - Simplify your life
以下、4種の細かい解説
本家DDRのNORMAL-NOTE、NORMAL-RAINBOWと同じ。マインノーツはショックアローとして表示されます。
- ITG-CELL、ITG-METAL
ITGの基本ノートスキン2種。色分けがDDRのNOTEよりも細かい。
4分→赤、8分→青、16分→緑、32分→黄、64分→水色、12分、24分、48分→紫となっている。フリーズアロー(ITGではホールドアロー)の先頭のノーツもしっかり色分けされる。マインノーツはステップマニア標準のマインとして描画。2種の違いは見た目が微妙に異なるのみ。画像左がCELL、右がMETAL
その他おすすめノートスキン
- YA_Solo
本家DDRのRAINBOWに近いノートスキン。高画質対応。本家とは違い、フリーズアローのノーツもしっかり色分けされる。マインノーツはステップマニア標準のマインとして描画。
■ 譜面
拙作ですがFINGA Simfilesをおすすめします。
https://t.co/XBt0CmS5afhttps://t.co/eQxdXvNCke
— finga (@spanish_ESP16) 2021年1月19日
BPM変化や停止などを可視化するEXレーンシステムをメインに据えたステップマニアSPパッケージ、FINGA Simfilesの公開です。ITGプレイヤーとDDRプレイヤー、初心者から上級者まで、色んな方が楽しめるパッケージです。
詳細は動画をご覧ください。
説明の通り、幅広い層の方が遊べるパッケージとなっています。詳細は動画をご覧ください。
Dropbox - FINGA Simfiles.zip - Simplify your life
(Stepmania package)FINGA SIMFILES preview - YouTube
【Stepmania譜面拡張】EXレーンLua 使い方
上記記事の使用方法変です。
ダウンロード
Dropbox - FG.zip - Simplify your life
まずはこちらをダウンロード。
- 解凍して出てきた「FG」フォルダを、そのまま対応させたい楽曲のsmファイルが入っていると同じ場所に置く。
- smファイルの#FGCHANGES 項目を、以下のように編集する
#FGCHANGES:0.000=FG=1.000=0=0=1; - FGフォルダ内のdefault.xmlファイル(notITG用)、default.luaファイル(SM5用)を開いて編集する。
bpms
それぞれBPMの変化する箇所、変化後のBPMの数値をここに記入します。画像6行目は{0.000,170.000}とありますが、これは最初のBPMを表わしています。この数値は必ず入力してください。でないと動きません。数値に関してはsmファイルの#BPMSの項目と大体同じです。
stops
それぞれ停止する箇所、停止する時間(ms)をここに記入します。停止が無ければ記入の必要はありません。
switches
スイッチ不発弾を配置したい場所を記入します。それぞれ該当の譜面の難易度に対応した箇所に記入して下さい。
cautions
警告ノーツを表示したい箇所を記入します。
表示し始める拍数、表示するノーツ(1234がそれぞれ←↓↑→に対応、5と入力するとショックアローを表示)、表示する長さ(拍数)となっています。
stopLabelBPM
ストップガイド線の色の基準となるBPMです。このBPMの1拍の長さより少ない停止時間の場合ストップガイド線が緑になります。これは例えBPM変化して遅くなったり早くなったりしても変わることありません。例を出すと160BPMを基準BPMに指定し、BPM80に変化した後BPM80の半拍停止があったとすると、この場合はBPM80では半拍ですがBPM160では1拍の停止と同じになるのでそのようにみなされ、ガイド線は緑にならず白となります。初期値は初期BPMの値が入力されていますが、最初が低速で始まる曲など、都合が悪くなる場合は対応させたいBPMの値を[stopLabelBPM = 160]のように編集してください。
actualMaxBPM
一時的な加速演出等で、実質の最大BPMと実際の最大BPMの値が異なる場合、実質BPMの値を記述してください(例:BPM150で基本進行するが、加速演出で一瞬300になる場合、150と記述)。
0にすると、実際の最大BPMの値が反映されます。
以上で使うことができるようになるはずです。わからないことがあればツイッターまで。
【Stepmania譜面拡張】EXレーンLua 仕様説明・公開
上記の記事で取り扱ったLuaの細かい仕様の説明です。
2021/5/2更新 警告アロー機能を搭載しました。
仕様
BPM変化サイン
BPMの変化箇所を色でお知らせします。青が減速、赤が加速を意味しています。
BPM変化はするが、表示はさせないということも可能です。
停止サイン
譜面が停止する箇所を、色付きの線でお知らせいたします。
色は上記の通り3種類あります。
緑
停止時間が1拍以下の時間であることを意味しています。ほとんどの場合半拍停止され、4分と8分のノーツが1回ごとに入れ替わることになると思います。
黄色
停止位置が32分以上の細かいリズムの箇所にあることを意味しています。DDRのDestinationのような、ノーツの直前に止まるような停止を判別しやすくなります。上記の画像をよく見ると、↓矢印の判定ラインよりほんの少しだけ上に線があることが分かると思います。
白
上記2つに当てはまらない停止を指します。
停止ガイド
停止時間をお知らせするサインです。譜面が停止すると、黄色い□が現れ、中央の■が徐々に大きくなっていきます。この■が□と同じ大きさになった時再び譜面が始動します。上記停止サインの黄色・白の時のみ表示されます。
スイッチ不発弾
2つで1セットのマインノーツによく似た偽ノーツです。色が青く、回転していません。踏んでもミスになりません。
不発弾とはいえど踏みたくはないイメージがあると思いますから、踏まないで処理すると綺麗に踏めるよ、という意味でマインノーツとよく似た見た目にしています。もちろん踏んだまま処理してもOKです。
上記画像のようなスイッチ配置を示唆するのに使えます。
LEFT、RIGHT、SHUFFLE、BLENDERオプションを使用するとこのオブジェクトは表示されません。MIRRORは表示されます。
警告アロー
ターゲットアローの少し下に、CAUTION!!と書かれた矢印を点滅表示させます。上下左右に加え、ショックアローも表示できます。
その他補足
- REVERSEオプションに対応しています。上下逆になっても問題なく動きます。
- HALLWAYなど、流れの角度が変わるオプションには対応していません。
- METAMODSオプションには対応していません。
- Stepmania5の大体のテーマ、notITGに対応しています。
- Stepmania5の対応テーマはSM5デフォルト及びoutfox、ITG2、ITG3、Simply love及びその派生テーマ、DDR XX starlight、waiei2です。
- DP一部対応しました(2021/1/24時点)。スイッチ不発弾のDPはまだ未実装です。
ダウンロード
Dropbox - FG.zip - Simplify your life
自己責任の使用でお願いいたします。
Dropbox - FG case.zip - Simplify your life
実際にこのLuaを使用したsimファイルも公開します。
譜面は以下の2曲です。
使い方に関しては、こちら記事で解説しています。
Lua成果物について
動機
AC音ゲーは同じ曲を同一プレイヤーが繰り返し遊ぶ事が多いが、創作譜面は数が大量にあることと、公式というブランドが無いことにより話題性・信頼性が欠けるため、一度遊んでそれきりになることも珍しくない。その為創作譜面は公式譜面よりも初見殺し要素が厳しい目で見られることが多く、BPM変化及び停止ギミックに関して折角ある楽しさがこの環境により殺されてしまっているという現状がある。これは非常に勿体無いので、どうにかして楽しめるようなものにしたいと思い、本Luaの製作に至った。
ステップマニアでの現状
上記の問題点を解決する手段として、比較的主流なもので二つの手法がある。マインとスタッターギミックである。
マイン
踏んではいけないノーツを停止やBPM変化の箇所に配置することによりプレイヤーにあらかじめ伝えておく手法
スタッターギミック
譜面停止と同じ箇所にBPMを一時的に加速させるギミックを配置する事で、ノーツ同士の間隔・色をを停止していない時と同じ表示と停止の演出を両立させる手法
どちらも容易に実装できる。ただ、これらには問題点がある。
マインの問題点
- 通常ノーツと誤認し踏んでしまう事がある
- 「踏んではいけない場所」という譜面の情報量が増えるため、ギミックを認識しやすくする一方でノーツの認識力を要求してしまう
- 「何かあるな」とプレイヤーに察させる事はできるが、それが何なのかはその箇所を通過するまで分からない
- 他の用途で使われるマインと区別がつきにくい
スタッターギミックの問題点
- 加速ギミックとセットの為、目押しによる判定がとりづらくなる
- 加速演出によりプレイヤーの感覚を従来の停止演出による感覚とは異なるものに変えてしまう
- 普段からノーツの色をあらかじめ認識しつつ踏んでいる人でなければ、停止箇所で結局不意打ちを食らう
どちらも、譜面の性質を少なからず変えるものである。
目指すもの
つまり、あらかじめプレイヤーに認識させつつ、かつ譜面の性質を変えないものであれば良い。例えるなら、道行く車に道路の状況を知らせる案内板のようなもの(?)。Luaならそれができるはず。
出来たもの
…というわけで、これらの問題を解決するLuaを実装した譜面を、ひさくんさん主催イベントのクソフマス2020にて提出致しました。 http://gamecenter-hisakunchi.blog.jp/archives/24004903.html
成果物はこちらになります。
#クソフマス2020 投稿譜面その2
— finga (@spanish_ESP16) 2021年1月5日
曲名:Bloody Marquis 枠:ソフラン
BPM変化・停止箇所に目印をつけたLuaが動作する譜面になっています。このLuaの完成にはとっても苦戦いたしました…。ご協力いただいたぱらふさん、FSM_CATさん、てねのさん、およしさんに感謝いたします。https://t.co/vSqyAN8xwH
これによって、譜面の性質を変えることなくギミックをプレイヤーに伝える事ができるようになりました。今後の譜面投稿イベントではこのLuaは標準装備で出したいと考えています。
最初に提出した時は非常に重く、どうにか軽く出来ないかと大苦戦しておりましたが、およしさんのご協力により、実用レベルのものが出来上がりました。
この場をお借りしてお礼申し上げます。#クソフマス2020 のBloody Marquisの処理落ち問題勝手に解消してみたんで誰か試してみてー(FGフォルダのdefault.luaを_default.luaとかに名前変えてから置き換えてください)https://t.co/KXHftBfTIG
— オヨシ🍐(A.C) (@waiei) 2021年1月3日
またLuaの出番は少ないですが、こちらでも同様の物を採用しています。
遅くなりましたが、クソフマス2020に投稿した譜面を紹介します。
— finga (@spanish_ESP16) 2021年1月5日
曲名:ウエサカダイナミック 枠:まともhttps://t.co/psi17LuzKg
この曲に仕込んだちょっとしたLuaに大苦戦し、今日の公開となりました。このLuaはもう1曲にも使用しており、そちらでは割とガッツリと機能しています。
今後も色々と新しい機能をつけて、汎用性の高いLuaにしていきたいと考えています。 いろんな方が簡単に使えるように、配布も予定しております。 頑張ります!!!
L-TEK PADなるもの
このブログで扱ってきたメタルパッドも最近はパネルを開ける回数も少なくなり、とりわけ安定稼働するようになってきました。
コロナ禍中のメタルパッドは特に心強いですね😆
このブログではDDR GAME社製のメタルパッドを取り扱ってきたわけですが、最近巷でタイトルにあるL-TEK PADなるものが流通してきているようです。
それで、どうも評判を聞く限りかなり良い感じですので、このブログでも情報として取り扱う必要があるのではないかと思いました。
私個人では持っていないので、伝聞がベースになってしまいますが紹介します。
L-TEK
ざっくりと特徴を説明します。
- ポーランドにて生産
- 日本にも輸入可能
- 通常モデルとプロモデルがあり、バー有・無の他、オプションでスタートボタン&セレクトボタンをつけることも可能
- 通常モデルとプロモデルではパネルの材質が異なり、前者は塩ビ製、後者はポリカ製
- 輸入費用込みで大体5~6万円前後
- PS及びPS2には非対応
パネルの接点形式は分かりづらいので簡単に図で説明します。金属が触れると通電する接点方式という点ではDDRGAMEパネルと共通ですが、構造が大幅に異なります。以下パネル内部の簡略図です。
それで肝心の出来なんですが、デフォルトの状態でもかなり踏みやすいとのことです。
改造手法もある程度確立されており、どれも簡単だとか(2枚の接点の下にコインを潜り込ませ接点を底上げし、感度を上げる「ペニーモッド」なる改造があるらしい)。
本体の価格はDDRGAMEパネルとあまり変わらないにしろ、改造の手間と費用が大幅に削減できるのは大きな魅力です。
DDRGAMEパネルは、デフォルトの状態だと公式マット以下の出来ですからね…
私がDDRGAMEパネルを買った2020年2月の時点ではこのパッドの情報があまり流通しておらず、DDRGAMEパネル一択ではあったため買わざるを得ませんでした。
ですが、今はこのようなクオリティの高いメタルパッドがあるので、わざわざこのブログのようなことをする意義は薄いかもしれません。
ツイッターでL-TEK PADで検索をかけると有用な情報が沢山転がっているので、ぜひ見てみてくださいね。
パネル改造 ⑤仕上げ編
パネル改造の最終パートです。 今回触れる部分が、ゲーセンの筐体でよく聞くパネルメンテの良し悪しに直結する部分となります。
特に完成形の個人差が出る箇所だと思うので、これが正解!と言えるようなものはないと思います。
なので、これから触れるこの辺りは今後実際踏んでからその反応と頻繁に向き合う覚悟が必要です!
パネル内側の四隅にゴムシートを切って貼ります。
パネル板を下から支える部分です。
改造前は白いスポンジが取り付けられていたため、その代わりをなす部分になります。
筐体にも似たような機工がありますね。
自分の場合、パネル内側はパネルを固定する金具を取り付けませんので、その影響で大体パネル外側は3mmシート+2mmシートで計5mmの高さに、パネル内側は3mmシート+3mmシートの計6mmの高さになりました。
ただ、↑パネルは前部の底面がやや盛り上がっているため、高さは多少変わると思います。
センサーの上にゴムシートを貼ります。このゴムシートの高さで反応の感度を調節します。
この部分ですが、未だに自分にとってもベストな高さが導き出せていません…。
過反応になったり無反応になったり反応しっぱなしになったりと手間のかかることこの上なしです。
実際に繰り返し踏んでみて、自分にとってベストな反応を導き出すしかないと思います。
自分の考えとしては、どうもパネルに近い部分を盛り上げると過反応が多くなるように感じます。
なので、中央銀パネに近いセンサー二つに関しては、パネルから遠い部分だけゴムシートを重ねて段差を出しています。
今後も満足のいく反応になるまで、根気よく検証していきます。
デフォルトとアクリル板を戻し、その上に発注したポリカーボネイト板を乗せ、ねじ止めします。
ねじ止めの際、ややななめにねじが止まるような感じにはなってしまいますが、プレイに支障は無いのでよしとします。
以前にも触れましたが、パネルはポリカーボネイト板とデフォルトのアクリル板を重ねて使っています。
アクリル無しの状態でも試しましたが、重ねた方がパネルの反発力があるので筐体に踏み心地が近くてやり易いんですよね。
この状態だと中央銀パネが矢印パネルより低くなるのでゴムシートを入れて底上げします。
この記事で一番最初に触れた3mm厚ゴムシートと同じものです。
ほんの少しだけ防振効果が期待できるかも?
とりあえず、これで完成です!
後は実際に踏んでみて自分好みの反応に調整していきます。